僕が生前、遺品整理屋な理由 No. 9

これは、過去に僕が書いていたブログを転送してます。↓↓


「人は天使や悪魔を外に求めるが、どちらも本当は自分の中(内)に存在する。」

上記の内容は僕が勝手に感じた事だ。
当時の僕は葛藤していた。
神様に願った、僕の命の半分を彼に渡してくださいと。
無情にもその願いは受け入れてくれなかった。

悪魔にも願い出た。
そんな者はいるはずも無く、願いは一方通行だった。

この頃、異常なまでにお金に執着していた。
家庭は崩壊しつつも考えられなかった。
娘の給食費も払えない状況に僕は命があるだけ、いいじゃんと
感じていた。
当時の妻は行政に相談して、給食費の免除を申請していた。


家庭の問題もあったが、何よりも、友人の一日の命をお金で買う事を
優先した。
最高の医療を受けるための、天文学的なお金を集める為に

結局、限りなく遠い医療費には届かなかった。

友人は「。。。息絶えた。。。」

友人の親族からの電話だった。。。。。。
親族から「ありがとう」と言われたが、僕は無力でした。
僕「そうですか。。。。。ありがとうございました。。。」
お通夜、葬儀等々の話を聞いていた。

不思議と涙は出なかった。
もう居なくなったと言う実感が湧かなかった。

お通夜の前日に彼に渡したい物があり、急いで彼の家に向かった。
やはり棺桶の中に彼がいた。
線香をあげずに、僕は、謝った、沢山謝った。

棺桶の中に出来立てのチラシを1枚入れさせて貰った。
「ブレイクスルー」会社名の入ったチラシでした。
壁をぶち破れと言う意味の社名でした。
そして、決意し誓った。仕事はもう絶対に辞めない

葬儀は辞退し行かない事にした。
僕はあれから、墓参りにも行った事が無いし、今も何処にあるのかも知らない。
頭の緩い僕だが非常識なのも、知っている。
まだ、彼の前で胸張って、逢えない。

暫くして、離婚した。
家の鍵を渡し、娘に、下着を数枚貰い、家を出た。。
当然だ、家に居れる存在では無いからだ。

僕はもう一度悪魔と話した。
天使なんか居ないと感じていた。

そして、悪魔に魂を渡した。
自分の大切な人や家族はお金でしか救えない。
全てはお金だと、だから自分が悪魔になる事にした。

そして、仕事だけに打ち込んだ、寝る場所は倉庫だった。
売上は右肩上がりに上がって行った。

この時はまだ、生前、遺品整理屋なんて、考えもしていなかった。