根暗仙人 No. 1 出会(-_-)

僕は、あの日、あるイベントに参加していた。

その名も「開運グッズイベント」だ。

そこの会場は、多くの人達でごった返して、歩くのも大変で、

さながら、朝の通勤ラッシュ状態だ。

他のブースでは、開運を導く為のセミナーもあり

ここにも、多くの人達が参加し、まるで、宗教のような感じで

舞台上の講師を崇拝してる様な熱気に包まれていた。

僕は若干、違和感を感じた。

もはや、これは異常だ!( ̄▽ ̄;)

そんな事を感じながらも、僕は沢山のブースの開運グッツを

品定めしていた。

開運カードに開運Tシャツに、石に、御守り、傘に、指環

何処かの国の開運人形とバラエティーに飛んでいた。

もはや、こうなると何でもありで、

開運と名がつけば良いんではないかとさえ思われる。

又、何を持って開運と言ってるのか疑問さえ浮かんでくる。(笑)

もはや、僕はここには相応しくない人になっていた。

そこで、ある人だかりのブースを見付け、僕はそこを掻き分けて

商品の前まで、やっとの思いで、たどり着き、商品を見た。

開運財布だった。

大富豪の持つ財布のモデルや何か爬虫類の皮の財布

月のパワーを持つ財布、いずれも、お金がたまり、お金が入って来る

財布だそうだ。

ならば、僕も買ってみようと思い、小銭入れを手にすると

お店の人に止められた。

「それは辞めときな!」

「こっちのなが財布にした方が良いよ」

「お金が欲しいなら、紙の紙幣がきたほう良いだろ!」

「財布ってのは、お金のホテルだ」

「人間だって、高級ホテルに泊まった方が良いだろ!」

「だから、こちにしときなさい」

そんな、お店の人に押しきられ、僕は、なが財布を買った。

僕は少々疲れて、何処か座れるベンチを探していた。

自動販売機があったので、水を買った。

ここでも、開運身体に良い水があった。(笑)

イベント会場から、100メートル位離れた、芝の上で休憩した。

お水を飲み、タバコを吸って、少々眠くなった。

天気も良いせいか、そのまま、芝の上で寝てしまった。

すると、何処からともなく話かけられるような声がした。

「あなた、大丈夫?具合でも悪いの?」

「あっ!すみません。何だか気候が良くて寝てました。」( ̄▽ ̄;)

「そう!それなら良かったわ」

「御心配お掛けして、すみません。」( ̄▽ ̄;)

「いいのよ」

「所で、あなたも、開運を求めて、ここに来たの?」

「はい!運は良い方がいいんで」( ̄▽ ̄;)

「そうね。あそこにいる人達も皆、開運を求めてるね」

「あの-。あなたも、開運を買いに来たんじゃ無いんですか?」( ̄▽ ̄;)

「私は、あなた達を見に来ただけよ。(笑)」

「見に来ただけ?」( ̄▽ ̄;)

「そうよ。あなたには失礼に聞こえるかも知れないけどね」

「何で?失礼になるの」( ̄▽ ̄;)

「言っても、怒らないでね。」

「初めて逢う人に怒りませんよ僕は」( ̄▽ ̄;)

「そう。じゃぁ~!遠慮なく言わせて貰うわね」

「皆、私は不幸だ!何とかしてくれ!って、集まってるね。(笑)」

「それを逆手に取られて、お金を巻き上げられてる」

僕は、この時、心の中で、買った財布を握りしめ、カッチ~んと来ていた。

「あの~。お姉さんは、開運グッズを買わないんですか?」( ̄▽ ̄;)

明らかに、僕の隣に座る女性は、開運をしなければ、まずいと思われる

感じの、暗い、パットしない女性だった。

「そんな、意味もないモノ買ってどうするの?」

「開運になるですよ」( ̄▽ ̄;)

「少し、お話しできる?」

「はい!望むところです」( ̄▽ ̄;)

「その前に、ズバッと聞いてもいいですか?」( ̄▽ ̄;)

「何?何でも聞いて、答えれる事は答えるわよ」

「あなたは何?それから、誰?」( ̄▽ ̄;)

「そうね。(笑)。。私は根暗仙人よ(笑)」(-_-)

「やはりな!」( ̄▽ ̄;)

「最近は僕も、だいぶ勘が良くなってきたから、普通じゃ無い気はしてた」( ̄▽ ̄;)


「それで!何処から来たの?」( ̄▽ ̄;)

「陰からよ」(-_-)

「駄目な方じゃん」( ̄▽ ̄;)

「ここに来ちゃ駄目だし、似合わないよ」( ̄▽ ̄;)

「いいじゃない!あそこに群がる人は気持ちが陰だから、
開運と言う陽を買いに来て、騙されてるんだから」(-_-)

「騙されてない私の方がましよ。」(-_-)

「言うね~~!」( ̄▽ ̄;)

「陰の癖に!」( ̄▽ ̄;)

「そもそも、あなたは、そこが間違ってるのよ」(-_-)

「陽は陰より優っていて、陰は陽より劣ってると思ってるでしょ」(-_-)

「そうじゃないの?(笑)」( ̄▽ ̄;)

「おなじなのよ」(-_-)

「違うでしょ」( ̄▽ ̄;)

「説明して上げるわ」(-_-)

「それでは、お願いします。根暗仙人様」( ̄▽ ̄;)

「次回にしてね。(笑)」( ̄▽ ̄;)